司馬遼太郎の幕末史観(その1)

令和2年は年初から中国発?の新型コロナウイルス感染騒動で日本のみならず世界はリーマンショック以上の社会・経済危機の中で喘いでいる。
コロナ感染者数は8月15日現在、世界全体で約2116万人(死者数約76万4000人)にのぼっている。(米ジョンズ・ホプキンス大学まとめ)
暫くは新型コロナウイルス対策に振り回されそうであるが一刻も早い有効なワクチンの開発が望まれるところだ。
そういう訳でこの夏はコロナ感染のリスクを極力避けるために半ば巣篭り状態ということで学生時代に一度読んだことのある司馬遼太郎の幕末時代を舞台にした小説を再読することにした。
小生自身の幕末時代に対する理解を深めるとともに司馬遼太郎が思い描いていた幕末史というものを考えてみたいと思う。
参考本としては以下の通り。
① どちらかといえば尊王・倒幕・開国派だった坂本龍馬を中心に描いた「竜馬がゆく」(文春文庫8巻)。
② どちらかといえば佐幕派だった新選組の副長土方歳三を中心に描いた「燃えよ剣」(新潮文庫、上・下2巻)。
③ そして討幕派でも佐幕派でもなくこの激動する時代に唯、長岡藩を存続させるためには如何にすべきか、ということを考え続け、最後には中立(独立)を保つことが出来ず西軍(官軍)を迎え撃つことになり、敗れた長岡藩家老、河井継之助の生涯を描いた「峠」。(新潮文庫、上・中・下3巻)
長岡藩といえば先の第2次世界大戦の際の連合艦隊司令長官だった山本五十六を生んだ土地でもある。因みに山本長官の祖父は長岡藩士として戊辰戦争で戦死したそうである。
この三者三様の立場から司馬遼太郎がどのように幕末をとらえていったのかそれぞれの人物像そしてその人たちを取り巻く人たちを通して紐解いてみたいと思う。
「お前さん、それぐらいの本を読んだ知識で幕末がとらえられると思っているのか」とおりを受けそうだがコロナ禍で巣ごもり中の小生自身の理解を整理する意味でもあるのでその辺はご寛恕のほどを。

司馬遼太郎の幕末史観(その1)
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