鑑定士のひとりごと

1年で51万人の減少

1年で51万人の減少
これは2019年人口推計で厚生労働省が発表した人口動態統計の年間推計で死亡者数137万人から出生数86万人を差し引いた日本の人口の自然減の数字だ。
この人口は鳥取県、我が松山市の人口にほぼ匹敵しこの程度の県、市が毎年1つずつ失なっていく勘定だ。
全国の市町村(特に中山間地)で限界集落(65歳人口が集落の過半を占める状態)が増加し続けているのも尤もなことである。
最近は限界集落を通り越して消滅に近い集落もたくさん出てきている。
また地方や田舎だけでなく都会の古くからの公営住宅や団地なども高齢化が大きく進んでいるということだ。
少子化はかねてから心配されていたことだが、今から2年余り前の2017年4月の国立社会保障・人口問題研究所の推計でも出生数が86万人台になるのは2年後の21年と予測していたらしい。
たかだか数年先の統計予測がこんなにも簡単に外れるものなのか。
それとも予測を上回る何か社会の変化があるのか。
確かに1つの原因として今年の5月に改元するということは今年の初めに既にわかっていた。
厚労省が言うには「令和婚」を目指して結婚を19年5月以降に先送りした人がかなりいたせいではないかという。
従って出産は令和2年に一般的にはずれ込むことになる。
確かそれも一因だろう。
「令和」になった5月の婚姻件数は前年同月の約2倍だったらしい。
男性の女性化とまでは言わないが確かに昭和時代と比べてみても男子の体力自体落ちているかどうか分からないが精子力が落ちているのは間違いないだろう。
戦後、女性と靴下は丈夫になった言われたこともあった。
女性が強くなったからといって子供がどんどん生まれるわけでもない。
男性が弱くなったこと、女性が強くなったことも少子化の一因ではないのか。
テレビもラジオもない時代は夜が明けると仕事をし、日が沈むと我が家に帰り晩御飯を食べて近くの銭湯か家の五右衛門風呂に入って寝る。
そんなにたいして娯楽もない時代である。
子作りに励むのもうなずけるというものだ。
また昔は組織や団体や集団が中心というか大切にしてきた。
自分だけ村八分になるのは嫌だから多少の我慢をしてもみんなに合わせてきた時代、我が儘もあまり言えない時代でもあった。
そんな時代が決していいとは言わない。
若い人もいずれ間違いなく年をとる。
その時年金、医療、介護を支えてくれる若い人が少なることは問題だろう。
それにしても今はなんでも有りの多様性の時代だ。
個としての自分、生き方の多様性を重んじるようになったことも少子化の大きな要因になっていると思う。
若者の経済基盤の弱さ、一人生活の気楽さからくる結婚をしない未婚者の増加も大きな問題だ。
確かに家に帰ってご飯ができていなくても仕事帰りにコンビニ、スーパーに寄って帰ればおひとり様用のいろいろな惣菜がある。
帰ってレンジでチンするだけであったかい物がいつでも食べられる便利な世の中だ。
洗濯物は近所のクリーニング店かコインランドリーで充分間に合う。
世の中がおひとり様でも便利に生きられるようになったことも少子化に影響していると思う。
専門家によると少子化を出来るだけ食い止める対策として
① 子供を希望する世帯が2人目3人目を産み育てる環境を早く整えること。
② 男性の育児休暇取得の促進
③ 子育て中の男性が早く帰れるような企業側の理解・協力
④ 男性が家事や育児のスキルを学べる機会の提供
⑤ 保育サービスを充実し固定的な性別役割分担の解消
⑥ 若い世代が安定的な仕事を得られるような就労支援をする
⑦ 長時間労働を見直し働く場所や時間の選択肢を増やす
などを挙げている。
どれも少子化対策に有効な対策だと思うがもう一つインパクトが足りないのではないか?
もっとドラスティックな対策を打たないと少子化の大きな流れを食い止めることはできないように思う。
子供はできれば母体が健康な10代後半から20代に出産するのがベターだということは医学的にも立証されている。
少子化解消対策として例えば10代で子供を産んだ場合、300~500万円を出産祝い金として母親にプレゼントするというのはどうだろうか。
20代は200~300万円、30代以降は祝い金ゼロ。20代で3人産めば1000万円程度を国から祝い金が貰えるとなると一斉に子作りに励むのではないだろうか。
またそれぐらいお金があれば少なくとも子供が小学生になるぐらいまでは子育てに専念できる。
来年度の国家予算は100兆円を上回るという。防衛費も5兆円を超えている。国家予算の1%ぐらいを出産対策に回すぐらいの大胆さが政府には必要だと思うが如何なものだろうか。そして父親は仕事に精を出し母親は家事、子育てに専念するという昭和以前の社会慣習というか風潮を良し、とするような世の中に回帰してもいいのではないか。
それぐらい思い切ったことをしないと少子化の大きなうねりを止めることはできないのではないだろうか。

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