基準地価とは都道府県が不動産鑑定士の評価をもとにまとめた7月1日時点の全国の土地価格のことである。国土交通省が9月に公表し、土地取引の指標となる。
全国に2万強のポイントがある。
以下今日の日経新聞、愛媛新聞の記事から概要をまとめてみる。
全国
今年の基準地価を見ると全国の商業地と工業地に底入れの兆しが見えてきた。住宅地については未だに下落傾向が続いている。
日銀の緩和マネーを背景に3大都市圏から地方の中核都市へと地価の上昇傾向は広がってきてはいるがそれ以外の地方圏との間に2局化がより鮮明になってきている。
因みに今年の全国商業地のトップ3は1位が京都市伏見区深草稲荷の29.6%、2位は大阪市中央区宗右衛門町の29.1%、3位は名古屋市中村区名駅の28.8%。
上昇の理由は訪日客の増加に伴う店舗の出店需要や再開発によるオフィス需要などである。
三大都市圏
住宅地の地価変動率は東京0.6%、大阪0.0%、名古屋0.6%。
昨年と同率乃至は若干の上昇。
商業地は東京3.3%、大阪4.5%、名古屋2.6%。
いずれも昨年より上昇率は拡大している。
三大都市圏の地価は訪日客向けのホテル建設などの用地取得が盛んなことが地価押上げの一因となっているが高値警戒感も出ており今後の投資は地方中核都市に流れることが予想されている。
地方中核都市(福岡、広島、仙台、札幌)
当該4市の商業地の地価上昇率は7.9%で全国の0.5%、三大都市圏の3.5%をも大きく上回っている。
理由としてはいずれも訪日客の増加でホテルの建設が進み緩和マネーの受け皿となって再開発が加速していることや三大都市圏の商業地の地価の高値警戒感に対する反動もあろうと思われる。
九州最大の繁華街、福岡天神にある県内最高地の地価上昇率は再開発の期待もあって前年比16.5%の上昇を示している。仙台市もJR仙台駅前東口で18.3%と大きく上昇している。
四国
四国4県の今年の基準地価は住宅地や商業地を含む全用途平均の下落率が4県全てで前年より縮小した。中心市街地や利便性の高い住宅地の一部で値上がり地点が出てはいるが人口減少が進み全体での下落傾向は依然として続いている。
愛媛県
全用途平均(林地は除く)は25年連続で下落したものの前年比-2.5%で下落幅は0.3ポイント縮小した。
地価の上昇は1増の7地点、横ばいは7増の25地点で特に松山市中心部など需要の強いエリアでの下落率の縮小が目立つ。
地価が上昇した7地点は全て松山市で住宅地4、商業地3。
用途別の1㎡当たりの最高額は住宅地が松山市町田4丁目の20万3千円。商業地は大街道2丁目の77万6千円である。