パリの概況
ここでパリの概要と小生の職業柄、ちょっと気になるパリの不動産事情を垣間見てみる。
まずフランスだが国土面積は約55万㎢、人口は約6700万人でざっくりといえば国土は日本の1.5倍、人口は日本のやく半分といったところだ。パリはご存知の通りフランスの政治、経済、文化の中心地である。
パリは30年連続で年間の外国人観光客数世界一らしい。フランス外務省によると2015年フランスを訪れた観光客は8450万人、そのうちパリを訪れた人は4700万人だということだ。同じく2015年、日本を訪れた外国人観光客は約2000万人だからいかにフランス、パリの観光地としての人気が高いかということがこの数字を見てもよくわかる。
パリはロンドン、ニューヨーク、東京などと並ぶ世界トップクラスの都市でもある。
市域は約87㎢(因みに東京の山手線の内側が約63㎢)で、形はといえばほぼ円形に近いカタツムリのような形をしている。
市内を有名なセーヌ川が貫き中心部にノートルダム大聖堂やルーブル美術館などがある。8月のお盆ごろと言えば日本では年間で一番暑いころであるがパリの気候は最高が25度程度、最低が15度程度と日本の10月頃(初秋?)の感じでとても過ごしやすかった。
雨も少ないようで今回の旅行も傘のいるような状況ではなかった。
パリまでのフライトは直行便で約12時間、時差は通常は8時間であるがサマータイム期間中だったので7時間の時差になる。従って日本の18時がフランスでは午前11時ということになる。
日の出は7時前頃であったが日没は9時過ぎで結構遅くまで明るい。
為替は1ユーロが約130円。物価はスーパーで買うと肉やミネラルウォーター、ワインなどは日本より安い。野菜は日本よりちょっと安いかなという感じだったが野菜の色が濃く見るからにおいしそうで新鮮なものが多いといった印象だ。魚貝類はちょっと不明。現地生産ではあったがアサヒのスーパードライとキリンの1番しぼりは置いてあった(価格も日本と同程度)。こういう時に日ごろ嫁さんとスーパーに買い物に行く習慣が役に立った。
パリの不動産事情
まずパリの住宅市場の特徴としては築年数が資産価値に影響する割合が日本に比べ少ないということが言える。パリでは住宅価格が現在のところ継続的、安定的に上昇傾向にある。同じく上昇傾向にある家賃を支払い続けるよりも手の届きそうな物件をできるだけ早く購入しライフスタイルの変化に応じて買い替えるという意識が強いということだ。
日本の高度経済成長華やかりし頃の昭和40年代を想起させる。
パリには築100年程度経過している建物は普通にある。外壁も見事にそろって隣接する建物も隙間がなく階層も同程度で街並み自体が見るからに美しい。
外観(躯体)はそのままで内装や設備をやり替えるのが通常である。従って物件広告にも築年数は記載されていないものが多い。
フランスではこのところ出生率が2%を超しておりここでも日本と違い人口増加傾向にある為、地価が下落する可能性は低いのではないかと思われる。
最近の売却情報を見ると
①パリ6区、サンジェルマン・デ・プレ教会まで歩いて5分程度の6階建ての5階部分18㎡、244,000ユーロ(日本円で約3200万円)
②パリ8区、凱旋門、シャンゼリゼ通りにほど近い物件、2階部分23㎡で233,000ユーロ(日本円で約3000万円)
③パリ15区、西向きの明るい部屋、1990年築27㎡294、000ユーロ(日本円で約3800万円)
④パリ16区、2階部分天井が高く開放的なダブルリビング、98㎡978、000ユーロ(日本円で約1億2700万円)
因みにホテル(パリ13区)の近くの賃貸アパートの賃料は
①47 ㎡、2 部屋1290ユーロ(日本円で月約17万円)
②41 ㎡、2部屋1210ユーロ(日本円で月約16万円)
③109,74㎡、5部屋2900ユーロ(日本円で約38万円)
スーパーで買って家庭で料理して食べるのは日本とさほど物価は変わらないと思うがレストランで食べると結構高いのは不動産価格と同じか。
一概には言えないが家賃は概ね東京並み、分譲マンションは東京のマンション価格より高いのではないかと思う。レストランで食事をするのは主に外国人観光客でそのお金がパリ経済の基本を潤しているのではないかと勝手に想像する。
そういえば地元の人たちはで食事するというよりもカフェで時間をかけてエスプレッソコーヒーだけをよく飲んでいたな。