岩手県や北海道に甚大な被害をもたらした台風10号の上陸から10日が経過した。
北海道では死者が2人、行方不明者が2人出ている。住宅は氾濫した川に押し流されたり浸水したりするなどして約700棟近くが被害に遭い農地も約6300ha以上が水に浸かった。台風は北海道の東部、特に富良野周辺の被害が大きかったらしい。北海道は日ごろ風水害があまりないところだから備えもさほど万全とは言えなかったのかもしれない。
北海道内のジャガイモの生産量は年間191万6千トン(2014年)でシェアーは全国のおよそ8割。国内生産量の33%を占める十勝管内は台風10号による大雨で畑が冠水し例年なら最盛期を迎えているジャガイモが雨で表土が崩れ日光に当たって緑色に変色し、濡れて腐る被害も出ており「今年の生産量は2~3割減る」という。
カルビーもポテトチップスの生産、発売延期を余儀なくされている。生食用のジャガイモも値上がりしており各農協によると10キロ当たりの価格は平均2400円と例年の1,5倍に高騰しているということだ。
そうした中、よりによって台風襲来から数日後の9月2日から3泊4日の日程で函館~札幌に夫婦で行ってきた。
松山空港午前7時35分の第一便で羽田に着き乗り継いで函館空港に昼前に到着。
空港で昼食を食べ時間があるのでバスでまず函館駅まで出てみた。
翌日、函館から札幌までJRで移動する予定だったので先にチケットを買っておこうと思い函館駅に行くと駅員さんが言うにはJRは台風被害で現在復旧中であり明日は少なくとも夕方までは運行できないということだった。それでは高速バスでと思い駅前のバスターミナルに入って事情を聴くとバスも予約でいっぱいでありキャンセル待ちも出来ないほどということ。どうしたものかと思ったがせっかくここまで旅行に来てあんまり心配しても仕方がないので取りあえず五稜郭観光へ市電に乗って行きその後本日の宿、湯の川温泉(花菱ホテル)に入った。
ここで話は少し横道に逸れるが職業柄、函館市の地価の状況を見てみる。函館市は人口27万人程度、四国では高知市の人口が34万人だから高知市よりやや小さい感じか。
地価水準としては函館駅前の商業地で坪単価40~50万円程度、ハリスト正教会のある元町周辺の住宅地で坪単価15~20万円、湯の川温泉のホテル周辺で坪単価20万円程度、背後の住宅地が坪単価12~15万円というところである。
人口約52万人を擁する我が松山市の地価水準の状況はJR松山駅前が坪単価70~80万円、道後温泉のホテル街や商店街が坪単価50万円程度、市内の中、上級住宅地の地価が坪単価30~60万円程度なので市域、人口密度、地場産業、その他経済状況により一概には言えないが松山市に比べると函館市の地価水準はざっと半値程度ということか。
道後温泉はホテル以外にもお土産物屋が立ち並ぶ商店街などもあり時間つぶしの散策も出来るが湯の川温泉はホテルを一歩出るとお土産屋を中心とする商店街らしきものが見当たらない。夜は街路は暗く温泉街の情緒も感じられない。その点、道後温泉はプライベートで来ても、団体で来ても家族で来ても楽しめる。
話は戻ってホテルに入って家内といろいろと札幌行きのことを相談した結果、函館からレンタカーを借りて札幌まで行くことにした。早速レンタカー会社に連絡してみた。結構予約が入っていたようだが運よく手ごろな車があるということでそれを借りることにして翌日函館から札幌を目指し、いざ出発。
函館~札幌間、約270キロということだ。午前11時に函館駅前のレンタカー会社を出て高速道路を休み休み行き午後5時前に札幌に無事到着した。乗り捨てということもありレンタカー代が18000円、高速料金とガソリン代で約1万円合計3万円近くかかった。借りた車のナンバープレートを見ると函館ではなく何と札幌になっているではないか。
結局、札幌から函館に別にお客が乗って来ていた車を今度は小生が函館から札幌へ廻送するということか。広域的に事業拠点を構えているレンタカー会社は結構おいしい商売をしているなーと妙に感心した。
小生札幌にはこれまでに4~5回来たことがある。道幅が広く,街路は整然としており建物の大きさ、高さなどを見てさすがに都会だなーと思う。
すすき野の「だるま」という店のジンギスカン料理は小さい店なので順番待ちで30分ほど待ったがさすがにおいしかった。函館のイカも勿論うまかったが札幌で食べたイカみそがいっぱい詰まったイカのルイベもうまかった。
札幌ではまたレンタカーを借り小樽経由で朝ドラ、マッサンで有名になった余市のニッカウヰスキー工場にも行ってみた。今は少し落ち着いてきているらしいがテレビドラマのお蔭で年間の来場者35万人程度だったのがドラマ直後は100万人を超えたらしい。
車の運転をしないといけないのでさすがにウヰスキーは飲めなかった。
函館に到着した時はこの先どうなるのかと少し心配したが、多少トラブるぐらいの方が旅は楽しいのかもしれない。何とか無事日程どおり北海道旅行ができいい夏休みになった。