鑑定士のひとりごと

新元号の決定と平成最後の地価公示価格の発表

改元決定

4月1日政府は臨時閣議を開き元号を「平成」から「令和」に変えることを決定した。

これにより新元号は5月1日午前零時より施行されることになる。

出典は日本最古の歌集「万葉集」から引用したもので日本の古典から元号を採用したのは元号が取り入れられた645年の大化から数えて248番目になる。

漢書ではなく国書(万葉集)から引用されたのは今回が初めてということだ。

典拠は「初春令月、気淑風和、梅被鏡前之粉、蘭薫珮後之香」で意訳すると新春の佳い月、空気は美しく風はやわらかに、梅は美女の鏡の前に装う白粉の如く咲き誇り、蘭は身を飾った香の如くかおりをただよわせているという意味らしい。

「令和」は命令の令だから上から目線で、あり得ないといった一部意見もあったようだが有識者懇談会では国書からの出典を推す意見が大勢で読みやすい、親しみやすいと一番評判がよかったという。

いずれにしても漢字自体は中国、漢の時代(日本では邪馬台国に卑弥呼という女王がいた時代)に伝わった文字で源流をたどれば中国由来ということになると思うが・・・。

小生は昭和50年に不動産鑑定会社に就職し10年間サラリーマン生活をした後、昭和60年に独立開業した。

したがって昭和の終わりかけから平成初期の不動産バブルとその崩壊を目の当たりにしたわけである。

平成時代に起こったリーマンショック、阪神淡路大震災、東日本大震災などは未曽有といっても言い過ぎではないほどの大災害で国難続きの平成時代だった。

小生の実務家としての鑑定士人生は、まさに平成と共にあったといっても過言ではない。

今年の10連休のさなか、5月1日から始まる「令和」の時代は希望と喜びに満ちた時代になって欲しい。

平成31年地価公示価格の発表

新元号の発表に先立つ3月20日に国土交通省は平成31年1月1日時点の公示地価を発表した。3月20日の日経新聞と地元愛媛新聞朝刊の記事を中心に概要を記述する。

全国

全国の全用途平均は4年連続の上昇となった。

インバウンド需要や人手不足が全国的に広がり地方圏でも上昇・横ばいの地点数が下落を上回り、過半を占めた。

地方4市(札幌、仙台、広島、福岡)の上昇率が住宅地、商業地ともに三大都市圏を上回っているのが今年の地価公示の1つ特徴だ。

地価上昇が三大都市から地方に確実に広がっている。

地方の都市部がけん引し住宅地の地価の変動率が上昇した都道府県は14から18に増えた。

観光地がけん引役になっている構図も続く。

訪日客数は18年に初めて3千万人を超えた。

上昇率上位は北海道や沖縄など。

商業地の1位は北海道倶知安町(ニセコ観光園)にある地点で対前年比58.8%の上昇(同地区の住宅地でも50.0%の上昇)。

2位は大阪の黒門市場商店街の中の地点。

三大都市圏でも利便性等により地価に明暗(二極化)を生じている。

住宅地では千葉県野田市の地点で駅からの距離が敬遠されたことや住宅地の供給過剰で7.8%減と全国で8番目の大きな下げとなっている。

神奈川県三浦市の地点でも人口減少などが影響し8.4%下げている。

四国

四国の地価にも底入れの兆しがあるものの全体では依然として下落が続いている。

四国4県平均では0.3ポイント改善したものの人口減の影響などで地方の中でも後れを取っている。

それでも各県庁所在地の中心部では再開発案件がけん引役になり地価が上昇に転じてきつつある。

高松市

高松常葉町商店街の商業施設跡地では22年度の完成を目指して診療所や保育園を備えたマンション建設が具体化されている。

大工町・磨屋町地区では地元主体で都市型住宅や商業施設などを備えた複合ビルの建設計画が進んでいる。

高知市

市街地のほぼ中心部に図書館を併設した複合施設「オーテピア」が開館し歩行者が大きく増加している。

また市内の中心商業地では飲食店を中心に新店の開業も相次いでいるということだ。

商業地は28年下落しているが下落率は-0.2%とそれでも0.4ポイント改善している。

徳島市

商業地は0.2%上昇。

文化センター敷地に文化芸術の新ホールを23年度完成を目指して計画している。

愛媛県

愛媛県の地価公示ポイントは全部で253地点。

そのうち上昇が38ポイント、横ばい34ポイント、下落が181ポイント、全用途平均の下落率は-0.9%で前年より0.3%改善している。

松山市

松山市の中心商店街「銀天街}にも長年の懸案であった複合マンションの建設計画が23年秋の完成を目指していよいよ動き出した。

JR松山駅の高架に合わせた駅前再開発も逐次進捗中である。

また一番町の三越前にビジネスホテルが建築中であり、今ある国際ホテルも建て替えの上周辺も含めてホテルと高層マンションを中心とした再開発が具体化している。

市駅前も伊予鉄高島屋の西隣の既存のビルを壊してホテル計画が具体化しており平成バブル崩壊後かなり経過するがいよいよ市内中心部が大きく変化しようとしている。

そうした中、松山市の商業地は0.6%増と2年連続で上昇している。

住宅地は依然下落が続くが全用途平均は11年ぶりに上昇に転じた。

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