鑑定士のひとりごと

特定空き家,県内初の代執行

四国中央市は6月21日、空き家対策特別措置法に基づく「特定空き家」として愛媛県では初めて強制撤去による代執行を行った。

この建築物は建設会社が資材置き場として使用していた倉庫であるが、この建設会社は数年前に倒産し破産手続きが終了した後は所有者不在となっていた物件である。

柱は傾き屋根のブリキ板が一部飛散するなど危険性が増していたという。

近くに幼稚園もあり近所の人たちは早く何とかしてくれと市に要望していた。

市は今月13日を期限として撤去を命じる公告をしていたが、撤去作業は行われることなく今回市が撤去に踏み切ったということである。

当市は18年3月までに「特定空き家」4件の所有者に指導、助言した結果、4件については自主的に撤去されたということである。

特別措置法により今後、全国各地で特定空き家の撤去がスムーズに進んでいくのだろうか?

法が施行されてこれまでに全国で755件の代執行が行われたということではあるが・・・。

2013年現在、全国の空き家数が820万戸、空き家率(総住宅に占める割合)は13.5%となっている。

 

愛媛県及び松山市の空き家状況

愛媛県は2017年9月現在、住宅戸数70万5200戸のうち、空き家戸数12万3400戸(空き家率17.5%)と全国でワースト2という不名誉な記録を作っている。

因みに松山市の空き家数は平成10(1998)年から平成25年(2013)年までの15年間で24,060戸から44.660戸と約2万戸増加し、空き家率は11.4%から16.5%と全国平均を上回っている。

先日、震度6弱を記録した大阪北部地震で小学校のブロック塀が崩れ,児童1人が犠牲になった。

市の調査によると松山市内にはブロック塀の倒壊危険性も含めて、約800戸は倒壊の危険性があり、解体などの緊急措置の必要性が高い空き家があるといわれる。

これを全部、代執行するのは現実的ではない。

危険老朽空き家の除却補助制度(除却工事費の5分の4以内で80万円を上限)もあるにはあるが松山市でも予算は年間20戸分、1600万円ということである。

 

対策の1つとして

危険家屋所有者の自主的な解体処分を期待したいが徐々に補助の予算額を増やしていくことも必要ではないか。

しかしそれが常態化してしまうと自主的に自己負担で除却をやる人が少なくなる?

老朽化して行政の補助金付きで解体した方が有利?

また住宅などの建物があれば土地の固定資産税が低いということもあり補助金は危険家屋の除却を逆に阻害することにもなりかねない。

除却の補助金は所得の低い人に限るとか老朽家屋の固定資産税を例外的に上げ、本人が除却した場合、過払い分を返金するが、除却しない場合は過払い分を除却費に充当するとかいろいろな方策を考えねばなるまい。

いずれにしても住みよい社会、街にするためにはそこに住む人のモラル、意識を高めていく、そのためには希薄になりつつある地域社会の繋がりを緊密に保つということが常日頃から大事になってくると思う。

自分の家が近隣住民に迷惑をかけている何とか自主的に解決しないといけないという自覚、雰囲気づくりが大切である。

人口減少社会が言われている中、空き家率は今後も着実に高くなっていくことはあっても低くなることはあるまい。

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